皆さんこんにちは。今回は元バスケ選手の私が、現役時代に思ったスポーツ栄養においてアスリートが大切にすべきことについて書いていきたいと思います。
こんな人に読んでほしい!
✔スポーツをする全ての人
✔試合でベストパフォーマンスを出したい人
✔スポーツ栄養を知らない人
強い身体は日々の食事から作られることを認識する
私は高校時代、「県で一番走らされる」と有名な高校のバスケ部に所属していました。
もはやラントレ部なのかバスケ部なのか分からなくなるような練習内容を毎日こなしていました。
この練習以外にウェイトトレーニングなどもやっていたので、練習後は当然、身体がボロボロの状態でした。
それだけ動いたらその分栄養や休養が必要だと今では分かりますが、当時は全くスポーツ栄養の知識がなかったので、食事内容はそれはそれはひどいものでした。
かなり栄養失調状態のなか毎日の練習をこなしていたと思います。
では、当時どんな食生活だったかというと、以下のようなものでした。
【朝食】
チーズケーキタルト
【朝練後】
コッペパン(いちご&マーガリン)
【午前中】
さくさくパンダ等の100円お菓子、ミルクティーやココア
【昼食】
学食Bランチ(丼もの+汁物)、ポテト
【練習後】
ポテトチップス、炭酸ジュース
【夕食】
お母さんが作ったご飯(ご飯・汁物・主菜1品)
毎日ではありませんが、だいたいこんな感じの食生活を送っていました。
今考えればゆるやかな自殺行為でしたね。
1日の中で、学食のBランチとお母さんが作った夕食以外はエンプティカロリーといっていい程です。
人間は食べたものから作られますから、当然私の身体もスッカラカンだったというわけです。
そんなスッカラカンの私でしたが、試合ではどうだったかというと…
負けられない試合であるほど緊張からか足が攣ってしまい、全く使い物にならないという状態でした。
当時は、
「あんなに毎日辛い練習に耐えているのになぜ試合になると攣ってしまうんだ!!」
と嘆いていた記憶があります。
私は毎試合30点以上を1人で得点していたので、当然私の出来が勝敗に直接結びつきます。
新チームになって初めての県大会のことです。
ベスト4を決める大事な試合で私はやらかすことになります。
チームももちろん負けてしまいます。
私は情けなさや悔しさ、絶望、チームメイトへの申し訳なさで誰とも口を聞かず下を向いて学校へ戻った記憶があります。
本当に悔しくて悔しくて立ち直るのにかなり時間がかかりました。
もし、当時スポーツ栄養学と出会っていたら、結果はまた変わっていたのではないかと今となっては思います。
自分がどんな選手になりたいのかビジョンを明確に
その後、私は管理栄養士になるために大学に進学し栄養学を学び始めます。
同時に、現在女子バスケットボール日本代表ヘッドコーチの恩塚亨氏がコーチを務めていた女子バスケ部に入部します。
今ではインカレ5連覇中の強豪校となった母校ですが、私が入部した当時はそんな有名なスポーツ校でもなく関東の3部リーグにいました。
大学バスケはどんなだったかというと、かなりのハードワークでした。恩塚さんのバスケは頭脳バスケなので頭も疲れるし、身体もヘトヘトでした。
一方、食事の方はというと、高校時代よりちょっとは食事がアスリートらしくなっていた私でしたが、大学3年生の頃、とあるスポーツ栄養士さんからこんなことを言われます。
バスケ選手なら、1日に4000kcalは摂らないとダメだよ!!
私はどうしても強くなりたかったので、
「そうなんだ!バスケ選手は4000kcal摂らないといけないんだ!」
と、その言葉をそのまま受け取り、その日から食事量を増やしたのでした。
具体的には、
そんな食生活を約2か月続けると、成果は目に見えて現れました。
明らかに筋肉量が増えて、体重は3㎏ほど増量したのです。
「やった!スポーツ栄養士さんの言った通り、私は強い身体を手に入れたぞ」
と、理想の肉体を手に入れたとその時は思いました。
迎えた大学4年の春のトーナメントでは、「オタクの大学フィジカルやばくない?」と他校から騒がれ、東京医療は身体が強い!というイメージを他校へ植え付け、やたらとビビらせることに成功したのです。
むしろその逆だったのです。
しかし、得意だったシュートがまるで入らなくなってしまったのです。
これは大問題でした。
シュートを決めることが私の仕事ですから、シュートが入らなければ試合に出る意味がありません。
そして、私は気付いたのです。
4000kcal/日も必要なかったんだ。
私は、身体を強くしたかったんじゃない。
パフォーマンスを向上したかったんだ。
1日に必要なエネルギー量についてはこちらの記事をご覧ください。
スポーツ栄養士さんの言葉を信じ、その通りに食事量を増やしたのですが、それが原因で自分のパフォーマンスが落ちてしまうなんて・・・。
私が目指す選手像は、スピードで相手のディフェンスを抜き去り、高い精度のシュートでチームの勝利に貢献することです。
その後は、摂取量を調整し体重を元に戻しました。すると身体が軽くなったため、思うように動けるようになりシュート力も戻ってきたのでした。
そうして大学4年の秋には2部でリーグ優勝し、1部との入れ替え戦とインカレの出場権を得ることができたのでした。
ここでの教訓は、
そこから逆算し、理想のパフォーマンスをするにはどんな身体が必要で、どのくらい食べなければならないのかを導き出します。
そうすれば、私のように何の目的もなくただただ強くなりたい!という理由で食べまくって失敗することはなくなります。
つよくなりたい!!!
私はバスケ部なのであって、ただ身体を強くするのが目的ならボディビルダーになればよいのです。
インスタ映えなんてどうでもいい
私は社会人2年目で、山梨県が本拠地の山梨クィーンビーズというチームに加入します。
wjblに所属しているプロバスケチームです。
当時そこでは毎日フルタイムで働いた後、夕方から練習をする生活をしていました。
夕方17時まで働いた後、体育館に移動しそこから自主練も含め22時までバスケットに打ち込む生活はとっても大変でした。
帰宅した頃には身体はヘトヘトです。
私は栄養状態がそのまま足に直結するようで、ある日練習中に足が攣ってしまいます。
私は高校時代を思い出します。
そして、
これではいけない、食事を大切にしよう!
と心に決めるのでした。
その日から私の自炊生活が始まります。
こんな生活を始めました。
実際の写真がこちらです。
「いいね」をもらうのが地味に嬉しくて、気が付いたら「いいね」をもらうことが目的となってしまい、次第にパフォーマンス向上という目的がどんどん薄れてつつありました。
1時間くらいかけてやっと食べ終わり、0時頃から食器洗い、お風呂や洗濯などをして寝る。そして朝は7時に起きて出勤。
この生活を毎日続けるのは無理がありました。
明らかに寝不足でした。
パフォーマンスは向上するどころか落ちていきました。
仕事中には気を失って後ろに倒れそうになることもありました。
これでは元も子もありません。
私はそれ以来、現役バスケ選手のキラキラ食生活は控えるようになりました。
もちろん余裕のある時は自炊するようにしていましたが、
(もちろん、外食やコンビニ飯の場合、何をチョイスするかは大切です。)
すると、睡眠時間や身体のケアの時間が増え、心にもゆとりができたのでした。
それでいいのです。
良い食事バランスを習慣化することに一生懸命になるのは良いことですが、それが負担になったりしてはいけません。
これが食事トレーニングの鉄則だと思います。
無理のない範囲で、自分に合った食事法を見つけるようにしましょう!
まとめ
この記事で皆さんにお伝えしたいことは以下の3つです。
食事でハッピーに、そして日々努力するアスリートの皆さんがベストパフォーマンスを発揮できますように。私のように後悔する人がいなくなりますように。
そう願いながら、これからもスポーツ栄養情報を発信していきます。